





ジェームズ・ドレイクはその30年以上に渡るキャリアのなかで、ドローイング、彫刻、映像、インスタレーションと様々な方法で作品を発表してきた。しかし、彼はデッサンを得意としていることで特に知られており、なかでもドローイング作品はコレクターや美術館関係者に常に賞賛され注目されている。
大判の本書には、白い切り絵と赤いドローイングの作品シリーズに着目し、その全作をあますことなく収録する。デザイン用ナイフを駆使してまさに文字どおり切り取り形作られた切り絵作品は、その優雅さゆえに複雑な工程を経て完成したものだということを感じさせない。パステルで描かれた赤いドローイング作品は白い切り絵作品に呼応するかたちで存在し、その赤色の彩度が作品の題材を違う生き物のように見せている。これらの作品の色調は複雑で政治的であり、それと等しく魅力的なものである。また、本書に寄せてホイットニー美術館のキュレーターであるカーター・フォスターのエッセイが寄稿されている。
Radius books / 144 ページ / ハードカバー / 381 x 300 mm / 9781934435403 / 2012