アメリカの社会や描写に対するアイコニックな解釈で、エド・ルシェは20世紀のアメリカ芸術界において最も卓越した人物のひとり。
様式化されたガソリンスタンド、ハリウッドのロゴ、そして典型的な風景に代表されるルシェの作品群は、クールでエレガントな表現と密接に関連している。
1960年代初頭、彼が今も住み続けているロサンゼルス周辺には、現代的なビジュアルカルチャーの発展を根本的に解釈しているアーティストは彼の他に誰もいなかった。
道路、フロントガラス、映画のスクリーンの視点からモチーフを引き出す彼の作品は、砂漠にある巨大で平坦な都市空間であるロサンゼルス特有の感覚をもたらす。
本書は、国際的な回顧展のためにUBS Art Collectionが所蔵する彼の紙を支持体とした作品と、1960年代から続けているルシェの作品に関する研究とがあわせて収録されている。それはルシェが長年にわたり実践してきた、技術・グラフィックの両側面からみても革新的なアプローチに特に関心を寄せるものだ。
Hatje Cantz Verlag Gmbh & Co Kgs / 118ページ / ハードカバー / 240 x 280mm / 9783775744324 / 2018年