1968年に日本で創刊された写真同人誌「Provoke(プロヴォーク)」は、通巻わずか3号しか刊行されていないにもかかわらず、第二次世界大戦後の世界的な写真史の文脈のなかでも際立った偉業だとみなされている。
プロヴォークは、批評家の多木浩二(1928年生まれ)、詩人の岡田隆彦(1939年東京生まれ)、写真家・写真批評家の中平卓馬(1938年東京生まれ)、写真家の高梨豊(1935年東京生まれ)により立ち上げられ、2号からは写真家の森山大道(1938年)が参加した。サブタイトルの「思想のための挑発的資料」が表す通り、批評の対象は写真という領域にとどまらず、芸術や文化全般、政治・思想の領域までに及んだ。
本書は、雑誌プロヴォークやその創作者たちにまつわる初めての巡回展*にあわせて刊行されたカタログで、歴史的な文脈に主眼を置きながら、「PROTEST」「PROVOKE」「PERFORMANCE」の三部構成により、プロヴォークと同時代の周辺の動きを見ることのできるものであった。
※注釈
*1 巡回展
2016/1/29-5/18 アルベルティーナ(オーストリア・ウィーン)
2016/5/28-8/28 ヴィンタートゥール写真美術館(スイス・ヴィンタートゥール)
2016/9/14-12/11 ル・バル(フランス・パリ)
2017/1/28-5/7 シカゴ美術館(アメリカ・シカゴ)
Steidl / 680ページ / ソフトカバー / 250 x 190 mm / 9783958291003 / 2016年