アレクセイ・ブロドヴィッチは、104点の写真で構成されている『Ballet』において、自然発生的で生きている現在のダンスを捉えることを目指した。 芸術的な先入観から解き放たれ、実存的な使命感に突き動かされた彼は、アメリカ公演中のバレエ・リュスの最終公演に没頭した。この本が初めて出版された1945年には、セルゲイ・ディアギレフが牽引し、彼の芸術的後継者たちが受け継いできた革命的なダンスの伝統は終焉を迎えていた。『Ballet』は、舞踊史におけるこの瞬間の唯一無二の記録である。 本書は『Ballet』出版80周年を目前に控えた復刻版で、本プロジェクトのために特別に開発された実験的な5色印刷技術によって、ブロドヴィッチの傑作を甦らせている。共同編集者のニーナ・ホランドとジョシュア・チュアンは、ブロドヴィッチの芸術的偉業が単なるハイライトのひとつではなく、写真集と印刷の歴史において特異で先鋭的な作品であることを示唆する、1945年の初版にまつわる知られざるエピソードも紹介している。 Little Steidl / 144ページ / ハードカバーと冊子 / 280 x 215 mm / 9783944630076 / 2024年 / 書店流通300部限定