アメリカの写真家デボラ・ターバヴィル（1934-2013）は、男性が支配的だった時代に活躍した先駆的な存在だった。1970年代に頭角を表し、『Vogue』や『The New York Times』といった媒体や、コム・デ・ギャルソンといったファッションブランドのための作品で、その独自のビジュアルシグネチャーが広く認識されるようになった。 本書は、ターバヴィルの創作活動の中で彼女の芸術家としての天才性が最も顕著に表れている分野「フォトコラージュ」に焦点を当てる。同時代の写真家たちとは異なり、ターバヴィルは意図的にイメージで遊び心を持ち、写真をコピーしたり切り貼りしたり、削ったり、ピンで留めたりするほか、余白に文字を書き込んで物語性のある連作を生み出した。アートと商業の間に位置する独自の領域を切り開いた作家の一冊。 Thames & Hudson / 240ページ / ハードカバー / 255 x 300 mm / 9780500026212 / 2023年