本書は、フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトとその妻アイノ・アアルトが手がけた1000点以上の作品を、世界最多規模で収集しているコレクター、ペルッティ・マンニストが所有するコレクションを紹介する作品集。
約400ページにわたり、初期の貴重なプロトタイプや図面、あまり知られていない家具、照明、ガラス製品、デザインのバリエーションなどを多数掲載している。アアルト夫妻は建築だけでなく、空間全体を構成する家具や日用品までを一貫してデザインしていたため、その思想や美意識が随所に感じられる内容となっている。
特に注目すべきは、第二次世界大戦前に「Artek」社の前身である「Finmar」社から販売されていた家具群、夫妻にとって転機となった「パイミオ・サナトリウム」に関連する資料や家具、戦後の物資不足を背景に生まれた“War leg”シリーズ、さらにアイノ・アアルトが母親としての視点からデザインしたベビーベッドなど、いずれも貴重なプロダクトである。
アアルトファン垂涎の逸品が並ぶ本書は、内容だけでなく、背表紙にファブリックをあしらった上質でシックな装丁も大きな魅力である。アートブックとしての完成度も高く、コレクターやデザイン愛好家にとって必携の一冊。
Pertti Männistö / 501ページ / ハードカバー / 290 × 220 mm / 9789529462575 / 2022年