イギリス出身のアーティストであるラッセル・モーリス(Russell Maurice) は、グラフィティ文化を背景に発展したムーブメント「コミック・アブストラクション(Comic Abstraction)」を代表する作家であり、絵画や立体作品を通して独自の造形表現を展開している。またファッションブランド「Gasius」のディレクターとしても活動し、日本とヨーロッパのストリートカルチャーを横断する存在である。
本書は、モーリスにとって初となる立体作品のみで構成された作品集。収録された作品は年代順に整理され、グラフィティのレタリングやサンプリングの手法を基盤に、コミックやアニメに見られる記号的な造形を解体・再構築することで生み出されている。複数のメディウムを横断しながら制作されたこれらの立体は、平面と立体の境界を曖昧にする。本書は構想から完成までに約5年を費やして制作され、作家自身が「愛の結晶」と表現するプロジェクトとしてまとめられている。
刊行を記念し、「KOMIYAMA YUKA BOOKS」にてサイン会が開催され、同イベントにあわせて制作された新作立体作品の販売およびアーカイブ作品の展示も行われた。
Lichen Books / 160ページ / ハードカバー / 198 × 129 mm / 9781739669706 / 2022年