本書は、2017年にタカ・イシイ・ギャラリーで開催された同名の展覧会にあわせて刊行された。コンセプチュアル・アートに通じるLuigi Ghirri(ルイジ・ギッリ)の作品は、「写真」という概念 - 記録という行為の枠には留まらず、視覚芸術の可能性を広げた。ギッリの写真行為の端緒に関する実験的背景は、写真を通じて自身と外部世界との関係やそこに存在する複雑さ・不可解さに関心を寄せる姿勢を育み、既知と未知との狭間にいることを知る行為として、被写体に対する熟視という結果をもたらした。本書はギッリの制作活動の中で、最も重要な位置を占める70年代に撮影された作品を中心にまとめられている。彼の作品からは、視覚的な穏やかさや静けさを感じさせると同時に、写真の奥深くには全く別の世界が存在するような印象を受ける。すべてのイメージが貼り込み状で収録されることによって、書籍自体の品のある佇まいと、ギッリの作品ならではの風合いのある色彩感覚とが両立している。
タカ・イシイギャラリー、Case Publishing / 64 ページ / ソフトカバー / 271 × 226 mm / 2017
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