





人類の歴史の中で、人工的な明かりは希望や進歩を表してきた。コロンビア・カレッジ・シカゴ現代写真美術館と共同出版された本書を通じて、アーティストであり写真の領域で教鞭をとるクリスティーナ・シーリーは、地球の表面を覆う人工的な明かりの美しさと、その明かり自体が表すものの複雑性との間にある現代の断絶を検証する。2005年から2010年にかけて取り組まれた本プロジェクトでは、アメリカの45の都市、西ヨーロッパ、中国、日本などの、NASAのマップ上でひときわ明るい都市の、明かりに着目する。経済的にも政治的にも権力を持つ地域であるこれらの都市は、夜の空にインパクトを与えるだけでなく、地球の生態系にも同様に影響を与える。本作に登場するのは、彼女の個人的判断ではなく消費の結果に基づいて選んだ地域であり、そのような理由からそれぞれの写真のタイトルはシンプルに「大都市」と名付けられ、それぞれに緯度と経度が記載されている。大型の判型の本は、展示のインスタレーションを反映しており、別冊でキー・コードとなったNASAの地図を収録する。
Radius books / 95 ページ / ハードカバー / 375 x 298 mm / 9781934435663 / 2016