





広島にある原爆ドームは、戦時中に初めて原子爆弾が落とされた街という残忍さを思い出させるためのものであり、これは誰もが忘れることのできない歴史である。
地球の反対側、ユタ州とネバダ州の境には、もうひとつの遺跡、すなわちこの広島爆撃というミッションのために、爆弾を搭載した飛行機が待機した格納庫がある。かつては世界最大であったが今や現存しない、ウェンドオーバーという空軍基地があった。この基地に関するストーリーと遺産は過去よりも多くのこと記述しており、また歴史的なサイクルをも暗示する。つまり現在は、未来への潜在的な新しい不安で満たされているということだ。
本書は、風景、歴史、時代の流れを写真という媒体で探求していることで知られているアーティストのマーク・クレットと、人間の認知と記憶に焦点を当てて研究を続ける著名な科学芸術の著述家であるウィリアム・ L・フォックスがチームを組み、ウェンドオーバー空軍基地と第2次世界大戦で米軍が使用した原子爆弾の記憶体験にまつわる、視覚的で言葉から成る多層的なポートレイトが展開されている。
Radius Books / 160ページ / ハードカバー / 298 x 241 mm / 9781934435397 / 2011
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