





芸術学校に在籍する学生の大半が女性であることに対して、芸術分野で活躍している女性アーティストは少数派である。この事実と向き合ううえで、フランス出身の写真家、Vincent Ferrané(ヴァンサン・フェラーネ)は、パリを拠点とする女性アーティストたちのそれぞれのアトリエを訪れ、その空間、彼女たちが創作に打ち込む姿、そして制作途中の作品に息づく何かが生まれる瞬間を捉えた。キュレーションの概念からは離れて、女性であることを第一条件に、あるいはジェンダー研究の観点から選ばれた被写体の女性たちはみな、絵画、彫刻、インスタレーション、パフォーマンスとジャンルこそ多岐にわたるが、いずれもパリの新しいアートシーンをつくる一端を担い、素晴らしい偉業を成し遂げている。
アーティストにとってアトリエは、極めて親密かつ複雑な性質を帯びた特別な空間だ。制作に没頭する姿や、芸術家としての苦悩を味わうようすなど、決して他者には見せない一面が密かに繰り広げられている。フェラーネは神秘のヴェールに包まれた創作行為と、彼女たちの張り詰めた緊張感やひたむきな姿勢をファインダー越しに見つめ、その距離感を探ろうとする。彼女たちが女性であるということは、その他の数多ある要素のひとつにすぎないのではないだろうか。
Libraryman / 104ページ / ハードカバー / 275 x 215 mm / 9789188113139 / 2018年
その他のアイテム
-
- 【CC】Lia Darjes / PLATES I-XXXI
- ¥8,250
-
- CALAMITA/À. An investigation into the Vajont catastrophe
- ¥10,230
-
- Karl Blossfeldt / Photography in the Light of Art
- ¥21,450
-
- Larry Sultan / SWIMMERS
- ¥12,100
-
- Comme des Garçons Parfums 1994–2025
- ¥24,200
-
- The Adventures of Guille and Belinda and the Illusion of an Everlasting Summer
- ¥13,200