本書は、ダヤニータ・シン(1961〜)が、最も権威ある国際写真賞とされるハッセルブラッド賞を2022年に受賞した記念に出版されたもの。連想的なビジュアルエッセイ『Sea of Files』全編に加え、初めて出版される『Museum of Innocence』(The Madras Chapter)や、アーカイブの意味と物質性に関わる他のシリーズも収録。オルハン・パムクによる個人的なエッセイでは、シンが撮影した国家公文書の写真が、彼にとって「記憶の質感」「詩的な老いの観念と深遠な感覚」を呼び起こす、オーラとメランコリーのイメージであることについて言及している。
シンがヒューマニズムに基づく肖像画や、美術館や出版社の慣習を覆す革新的な展示構造や本のオブジェを通して、写真との新しい関わり方を開拓してきたことを紹介した1冊と言える。
Steidl / 146ページ / ハードカバー / 260 x 260 mm / 9783969991541 / 2023年
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