イタリア出身の写真家、Walter Niedermayr(ウォルター・ニーダーマイヤー)は、まばゆい光が印象的なアルプスのランドスケープ写真を、大判かつ複数のパネルを用いて発表することで知られている。
2011年に開催された彼の個展では、複数の作品シリーズから選出して構成された。本書は同展にあわせて刊行された作品集である。1980年代以降、ニーダーマイヤーは、人間と山の環境との間にある関係性について探究してきた。彼の焦点は、マスツーリズムが拡張しつつある現象の結果として生じるその領域の大規模な変容であり、そして人間という存在とインフラの構築という両方の観点から明らかになる影響に注がれる。見るからに壮観であるこれらの作品群は、観る者に一種の方向感覚の喪失をもたらす。それは、自然環境下における景観の認識や人間の行動がもたらす影響についての問いかけへとつながるだろう。
一方、イランについての作品シリーズに関して、ニーダーマイヤーはこの魅力的な国の現状とともに、先進的文化の歴史に焦点をあてようとした。5,000年前の文化史は、現在どのように表現されるだろう?この連続したシリーズにおいて、彼は1979年のイスラム革命以降に西洋の影響を受けて発展したイランのランドスケープを調査し、このランドスケープと古代ペルシャの文化遺跡および建築との関係性を研究して、過去と現在との間に可能な関係があることを指摘する。
また、比較的近作となる「Bildraum and Raumfolgen」シリーズは、ニーダーマイヤーの建築と空間把握に関するリサーチの概要がみてとれる。
SKIRA / 108ページ / ハードカバー / 280 x 250mm / 9788857209753 / 2011年
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