本書は、アウシュビッツの強制収容所に訪れた観光客が、現地から送ったポストカードを集めたものである。
ポストカードのおもて面には、今では負の遺産として残されている収容所の写真が掲載されているものの、裏面には家族や恋人にあてて送られた愛のメッセージが書かれている。
コレクションのうちもっとも古いハガキは1947年に送られたもので、収容所が解放されてからわずか2年後に観光地として機能していたということになる。
ホロコースト関連のアートでは、「沈黙」が一般的な態度であるが、この本はおしゃべりで皮肉的な態度をとっている。
本書は、人類史上最大の大惨事が引き起こした社会的外傷に対処する上で、言語とイメージの両方の失敗について示唆するビジュアルブックである。
Edition Patrick Frey/ 88ページ / ハードカバー / 224x210mm / 9783905929898/ 2016年