1915年に創設されたピクチャーコレクションは、ニューヨークのアーティストやデザイナー、イラストレーター、学生、研究者など様々なコミュニティのニーズに応えてきた。
12,000点を超えるテーマをカバーするコレクションは、公共図書館システムの中で最大の規模を誇るもので、オリジナルプリント、ポスター、雑誌、新聞のイラストなどが主題別に分類されている。図書カードを持っていればどのテーマでも一度に60枚まで借りることができるというシステムになっている。
アメリカ人アーティストのタリン・サイモンは作品「The Picture Collection」の中でこのコレクションの分類方法に着目した。一見中立に見える分類方法はその背後に見えない手の影響がある。つまり提供された画像の必然性や図書館員の関心、また利用者の要求によってアルゴリズムが生成されているのである。
一般的な広告写真の隣にスタイケンの写真が保管されているというように平坦性を持っているコレクションだが、例えばウォーカー・エバンスの写真は市場価格の高騰に伴いパブリックフォルダから削除され芸術部門の保護下に置かれるというようなことも発生する。
サイモンはこの膨大な画像のアーカイブを、インターネットの検索エンジンの先駆けとして捉ており、過去の未来性をこのコレクションの核心と考えている。
本書はこのコレクションの歴史を紹介した一冊で、作家との直接のコラボレーションによって制作された造本もユニークな一冊。
Cahiers d'Art / 460ページ / ハードカバー / 336 x 254mm / 9782851173140 / 2020年
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