Kenji Aoki（青木健二）はニューヨークを拠点に活動中のフォトグラファー。独特の色彩やミニマリズムによる力強くも繊細な作風で知られる。 美術を志した学生時代、バウハウスの美術教育機関にnon objectと題された１冊の本と出会い、「無対象」という東洋における禅のような精神を持つ西洋の芸術や、インドの「0の起源」という概念に影響を受ける。それ以来、幾何学的、分析的な視点により簡素化された『美の原型』を表すことを主題とし、作品に取り組んでいる。 本書は、20年間にわたって記録した作品の中から55点を精選。幾何学的観点による空間を考察した作品集となっている。 刊行にあたり、青木は「数多い過去の作品から、表層的に美化された写真は必要ない。球体に対する敬意を守りながら、内省された何か意志のある写真のみを選別するべき。それは憧れを表す。というキャシー・ライアンの助言が、私の個性の本質を再発掘させてくれました。作業は原点回帰へと向かい、過去を編集する事は未来を決意することだと学びました。」と述べている。 Kehrer Verlag / 108ページ / ハードカバー / 360 x 291 mm / 9783868289398 / 2021年