







アメリカ人写真家、ティー・A・コリンの作品集。
本書は作者の先鋭的かつ広範な写真作品制作の活動を明らかにするものであり、写真家として、レズビアン・セックス・アクティビストとして、そして教育者、執筆家としての作者の作品群の交わりがもたらす新たな視点を提示する、野心あふれる一冊である。
キュレーターであるシャーロット・フリントが本書の編集を務めており、作者のアーカイブから発掘されたこれまで未公開であった写真やスライド、コンタクト・シート、エフェメラを用いて、その制作キャリアを辿る道筋を描いている。
作者を当時のレズビアン写真家の第一人者に至らせた先駆的な作品群を紹介しながら、オードリー・ロードや、ジョーン・E・ビレンからルース・マウンテングローブ、ハニー・リー・コットレルらを含む、急進的なカウンター・カルチャーを共に築いた友人やレズビアン / フェミニスト・アーティスト、作家、活動家仲間の傍らに作者を位置付けている。
本書の軸となっているのは、女性たちがオレゴン州郊外で開催していた、自然風景との関係性を意識したイメージ作りを探求するDIY写真ワークショップ「Feminist Photography Ovulars」で、作者は1970年代後半から1980年代前半にこの会を共催したメンバーの一人である。
この年次集会にて制作された写真は、作者が培った素晴らしいコミュニティに光を当て、遊びと喜びが一体となって先鋭的なものを生み出す方法の理解をも物語っている。
大量のアーカイブ素材を掘り下げることで、本書は、写真、アクティビズム、コミュニティが一体となり、願望、欲望にまつわる力強い新たな視覚言語を生み出すことができることを示しつつ、行動を呼びかける役目を果たす。
マウンテングローブ、ビレン、フリントによる年表とテキストを収録。
(ディストリビューターのテキストより)
MACK / 128ページ / ソフトカバー / 290 x 240 mm / 9781915743350 / 2024年