本書は、ヘルマン・デ・フリースによる自然や身の回りの事物を観察・記録した写真作品群を「見たもの=見る存在のサンプル」として収めている 。134点以上の作品が収録され、大きめの判型としっかりした紙質が、写真の質感や空気感を余白を含めて際立たせている。
写真には、作者自身の視線(=Beings)がランダムに切り取られた瞬間が映し出されており、「何を見ているのか、その偶然性と偶発性」をテーマとして扱う一冊だ 。自然物や身近な風景が無作為に扱われることで、見るという行為そのものへの問いかけが浮かび上がる。「見る」「存在する」ことの根源的な感覚を喚起する、詩的かつ思想的な構成となっている。
Les Presses Du Reel / 352ページ / ハードカバー / 160×220mm / 9782917393000 / 2010年