本書は、フィンランドのアーティスト タトゥ・グスタフソンの初の写真集。
2012年、グスタフソンは伝統的な写真撮影の枠を超えた新たな表現方法を模索していた。彼はフィンランドの交通・気象監視カメラが12分ごとに自動で写真を撮影し、それらが24時間オンラインで公開されることに着目。この仕組みを利用して彼自身がカメラの前に立ち、セルフポートレートを撮影するというプロジェクトを開始した。
このプロジェクトでは、フィンランド全土に設置された700以上の監視カメラを巡り、毎月1週間を車中泊で過ごしながら、各地のカメラの前に現れるという方法で撮影が行われた。これにより、無人の風景の中に突如現れる人影という、詩的で孤独感漂うイメージが生まれた。
作者がシャッターを押さず、監視カメラという公共の装置に自身の姿を記録させることで、写真における「作者性」や「主体性」を問い直している。また都市と自然、公共と個人、監視と表現といったテーマが交差する中で、現代社会における個人の存在や視覚文化の在り方について深く考察する作品となっている。
Fw:Books / 400ページ / ソフトカバー / 230 x 210 mm / 9789083345994 / 2024年
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