








スペイン人写真家のイレーネ・ゾットラは、独学で写真を学び、2016年からマドリードのラボで腕を磨き始めた。
彼女の詩的な作品は、アナログ写真の限界を探るもので、しばしばテキストと組み合わせられる。
同時に教育者としても活動するゾットラは、社会的弱者への社会的介入のツールとして写真を探求している。
本書は、空を飛ぶという行為に内在する人間の根源的な願望と、それに伴う光と影を探る試みである。古代ギリシャ神話のイカロスの物語を出発点に、飛行という行為に込められた象徴性や比喩性、そしてそれがもたらす希望と危機の両義性を読み解いていく。
飛行が単なる物理的な移動手段を超え、人間の精神、想像力、自由への欲求と深く結びついていることを明らかにする。翼を広げることは、高揚であると同時に、墜落の予兆でもある。飛翔に憧れる私たちはなぜ空を目指すのか。その問いに詩的かつ哲学的に向き合う一冊。
Ediciones Anomalas / 108ページ / ハードカバー / 235 x 165 mm / 9788409321575 / 2022年