ジュリアン・ステア は、イギリスを代表する現代陶芸作家の一人であり、長年にわたり「器」という存在の意味や役割を問い直してきた。機能性と精神性、素材と記憶の関係を探求する彼の作品は、実用の枠を超えて、人間の営みや時間の蓄積に寄り添うような造形美を備えている。焼き物というメディアを通して、触れること、使うこと、そして残ることについての思索を続けてきた存在である。
本書は、 ステアの制作活動を網羅的に紹介する初の本格的モノグラフであり、代表作や近作を含む豊富な図版とともに、その思想と実践を深く掘り下げる。制作哲学、素材へのアプローチ、器に込められた記憶や身体性といったテーマが、写真とテキストを通じて立体的に浮かび上がる。器という存在に宿る時間や感情を、静かに、しかし確かなかたちで読者に伝える一冊である。
Yale / 288ページ / ハードカバー / 288 × 236 mm / 9780300278071 / 2024年
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