ライアン・トンプソンはシカゴを拠点に活動するアーティストであり、トリニティ・クリスチャン・カレッジでアートとデザインを教える准教授でもある。ベストセラー写真集『Bad Luck, Hot Rocks』の共著者としても知られている。
本書は、米国ハワイ州のハレアカラ国立公園およびハワイ火山国立公園のアーカイブから抜粋された、持ち帰ってしまった溶岩や石を返送する観光客たちの謝罪の手紙とともに、それらの「返された標本」の写真を収めた一冊である。
前作『Bad Luck, Hot Rocks』ではアリゾナ州の化石の森国立公園を舞台に「盗んだ石を返す」という現象に注目したが、本作では舞台をハワイに移し、より鮮やかな色彩でこの“盗みと返却”のサイクルを描いている。罪悪感、不運、贖罪、そして地球との関係性に対する個人的な内省を交えながら、トンプソン自身のモノクロ写真とともに構成された本書は、地質学、観光、そして植民地主義が交差する現代における人間のふるまいと希望を静かに問いかける記録である。
The Ice Plant / 128ページ / ソフトカバー / 230 x 168 mm / 9798985733044 / 2024年