ドイツの長寿テレビドラマ『Lindenstraße』を題材に、セットや小道具を通して社会階層や価値観の表象を読み解いた作品集。
ミュンヘンを舞台とする本作は、実際にはケルンのスタジオで撮影されており、レナーは人工的に構築された街並みや住居空間に注目している。家具、装飾、生活用品、壁に飾られた写真や本棚の内容までもが、登場人物の階級、趣味、政治意識を示す記号として機能している。架空ブランドや作り込まれたインテリアは、ドラマのリアリティを支えると同時に、現代ドイツ社会のステレオタイプや価値観を視覚化している。
テレビドラマの舞台美術を分析しながら、メディアによって再構成される「日常」そのものを批評的に捉えた一冊である。
Volker Renner / 240ページ / ハードカバー / 280 × 225 mm / 9783868452299 / 2019年
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