original
フォルカ・レナー(Volker Renner)の写真は、「写真とは何を写すものか」という期待そのものを揺さぶっている。豪華なホテルの正面ではなく裏口へ視線を向け、中心部分が空白だったり覆い隠されていたりする写真によって、被写体そのものが画面の周縁へ追いやられている。レナーは写真をペアやシリーズとして構成し、都市空間に潜む視覚的パターンや秩序を浮かび上がらせている。反復する建築要素や些細な断片を並置しながら、完成と崩壊、占有と放棄といった異なる状態を重ね合わせ、写真によって現実を整理・分類できるという前提そのものを静かに問い直している。
Volker Renner / 84ページ / ソフトカバー / 300 × 300 mm / 9783941613775 / 2007年