





2005年、レベッカ・ノリス・ウェブは自身の故郷である人口密度の低い州、サウスダコダを撮影した。グレート・プレーン(*1)に位置するこの土地は、人よりも多くの水牛、プロングホーン、ミュールジカ、プレーリードッグなどの動物が暮らし、パウワウ(*2)やロデオ、コーン・パレスやバッファローの駆り集めで知られている。その広い土地と沈黙に特色を見出せる、この厳しくも美しい場所は、時々厳しい天気によって襲われる。
しかし翌年、彼女にとって全てが変わる出来事が起こった。彼女の弟の一人が心不全によって予期せぬ死を迎えたのだ。彼女は「数ヶ月の間、私の心を和らげたのはサウスダコダの風景であった。喪失感というものは独自の地形があるのかと疑問に思い始めた。」と言う。
彼女による予備的なテキストと情感豊かな写真とを織り交ぜた本作は、アメリカ西部とその地域の気候についての小さく親密な一冊であり、また彼女の弟に向けた挽歌である。
*1 グレートプレーンズ:ロッキー山脈東方からミシシッピ川に至る大平原地帯
*2 パウワウ:アメリカン・インディアンの踊りの集会・祭り
Radius books / 116 ページ / ハードカバー / 248 x 216 mm / 9781942185178 / 2017