1920年代以降、ベルギーの工場であるゲバルトでは、写真フィルム製造の副産物として出た大量の銀を意図せず廃棄していた。この銀はグレンスベークというベルヘム市とモルセル市を隔てる小川へと流れ出ていたのだが、ヘドロのようなどす黒さのせいで「黒いどぶ」あるいは「銀の小川」と呼ばれていた。
伝説は1927年に始まる。工場で働いていた工具師が、工場が日々洗い流していたものに着目した。この男は小川のヘドロから銀を回収するシステムを考案したのだ。彼は乾燥させたヘドロを町の冶金工場へこっそりと運び、そこで銀を抽出した。それは年に最大で半トンの銀となり、十分な収入をもたらしたのだった。
本書の著者であるルーカス・レフラーはこの話に魅了され、新聞の切り抜きや歴史的文書といった記録を見つけ出し、この工場や小川の撮影を行った。遂にはこの「銀の小川」の底から泥を採取し、銀の痕跡を見つけ出そうと試みた。そして最終的には本書に収録されているポスターを、この泥を用いて「泥プリント」として制作したのだ。
The Eriskay Connection / 36ページ / ソフトカバー / 286x 200mm /9789492051448/ 2019年
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