1960年代半ばには前衛的な自費出版の本のブームが巻き起こった。コンニャク版、謄写版、オフセット印刷によって小部数を低価格で印刷することが可能になっただけでなく、こうしたジンに特有の美意識が育っていった 。
「 理 想 主 義 的 な ア マ チ ュ ア 」 た ちはジンの制作にのめり込み、タイプライターの文字の魅力、手書きの文字、へたくそなドローイング、様々なイメージをコラージュして作ったアサンブラージュ、
ポルノ写真、スナップショット、マンガを好きなように組み合わせていった。タイポグラフィーも意図的に自由に解釈され、それと並行して新しい「感性」の名の下に言葉やヴィジュアルによる表現も開放的になっていった。
ブレーメンのヴェーザーブルク美術館で開催された展覧会に合わせて出版された本書は、西ドイツで生まれた前衛的な自費出版作品を徹底的に紹介した初めての本である。これらの作品が登場するに至った世界的な背景についても説明されている。
本書は逸話に富んだ歴史としてジンの世界を紹介するのではなく、「Do-It-Yourself」を掲げた反乱から生まれた美意識の世界を探索し、
今再びブームになっている「インディペンデント・パブリッシング」やリソグラフなどの美しさをもう一度見直すことを私たちに求めている。
(ディストリビューターのテキストより)
Spector Books / 368ページ /ペーパーバック / 333 x 267 mm / 9783959051040 / 2019年