高層ビル群から砂漠、スプロール化した都市から渓谷までアメリカの風景は信じられないほど多様である。本書はこの課題に対して挑戦した一冊。
このプロジェクトのためにランドスケープデザイナー、ビジュアルアーティスト、写真家など25名の専門家がオランダの財団からアメリカに派遣され、アメリカを旅しながらアメリカの歴史と発展を研究・記録した。
彼らの研究は「密集した都市における社会的空間としての都市公園」「拡大する都市の周辺部の風景」「大規模な農村地域の保全活動としての展開」という3つのテーマに沿って進められた。
本書のデザインを担当したのはイルマ・ボームで、ベランダからコンサートホール、個々の植物から公園の全体像、高速道路や鉄道、屋内の展示スペースから公共空間の彫刻など、さまざまなものを約1000ページのボリュームでタイポロジー的にまとめている。
アメリカ人が当たり前すぎて見過ごしている日常を外国人の視点で切り取った、今日のアメリカの風景に対する視覚的な指標であり、洞察力に関して考えるための書籍である。
Nai Uitgevers Pub / 927ページ / ペーパーバック / 292 x 210 mm /9789056627034 / 2010