オーストリア出身の画家、Arnulf Rainer(アーノルフ・ライナー)は写真の上に絵の具やドローイングを重ねた作品で知られているが、初期の作品は赤や黒い絵の具を使って画面を塗りつぶしたような絵画作品を制作していた。
本書は2017年にロンドンで開催された、彼の初期の絵画作品にフォーカスした展覧会に際して刊行されたもの。
独学で絵画を学んだというライナーは、初期にはシュルレアリスムの影響を受け、また1951年に訪れたパリにて抽象表現主義や*アンフォルメルから強い影響を受けた。そのことからオーバーペインティングと呼ばれる「Übermalungen」シリーズが制作されたのである。
彼はこのシリーズについて主に自分とのコミュニケーションとして芸術作品を追求したと記している。
本展覧会前に行われたインタビューや、各年代ごとに書かれた短いエッセイなども収録した、ライナーの初期の活動が包括的にまとめられた作品集である。
*アンフォルメル
1940年代半ばから1950年代にかけてフランスを中心としたヨーロッパ各地に現れた、激しい抽象絵画を中心とした美術の動向を表した言葉
Galerie Thaddaeus Ropac / 180ページ / ハードカバー / 315 x 240 mm / 9783901935589 / 2017年