







本書はスイスを中心とした中欧における版築建築*の歴史と意義を探り、歴史的な事例をもとに現代建築におけるこの建築技術の可能性を検討した一冊。
版築建築は、現場の天候に左右されるなどの潜在的な欠点があるものの、強度、耐久性、不燃性などの素材としての利点が多くある。また、サスティナブルで完全なリサイクルが可能なことから、このリサーチは
既存の建築の保護に貢献すると同時に、さらなる研究のための基盤を提供するものでもあるのだ。
*土を建材に用い強く突き固める方法で、堅固な土壁や建築の基礎部分を徐々に高く構築する工法。
もともと石灰分を多量に含んだ微粒子から成りこの工法に著しく適した黄土が広く堆積した黄河流域で古代から用いられ、特に発展を見せた工法である。
Triest Verlag / 304ページ / ハードカバー / 330 x 220 mm / 9783038630487 / 2019年