







マリア・ブロンドール(Maria Blondeel)はベルギーのゲントを拠点に活動するインターメディアアーティスト。光と音という無形の現象に魅了されたマリアは、幾何学的な空間の原理を色鮮やかなプリントベースのインスタレーションに分析し、観察者の経験をリセットさせるような作品作りを目指してきた。
本書に収録された「BOL,」は、マリア・ブロンドールが1987年から1990年にかけてのオーディオビジュアル作品の設計図や残骸の包括的なコレクションである。
1987年の彼女のインスタレーション「Bal, Dozen en vases」は、スライドの投影とサウンドパフォーマンスで構成され、ポール・セザンヌ(1839-1906)の「自然を、円筒、球体、円錐、遠近法でとらえなさい(...)」というから発展したという。また、コンタクトシートのシリーズでは、80年代当時、設計図を重ねて投影し、その後、再び撮影した様子を見ることができる。また、ここでいう設計図は乳剤を塗布した感光性のジアゾタイプ紙の上に対象物を置き、フォトグラムの手法で作成したものである。最近ではこれらのアナログ写真のセレクションが、和紙にプリントされた。
Borgerhoff & Lamberigts / 48 ページ / ソフトカバー / 299 × 213 mm / 9789463935289 / 2021年