本書は、ベルギーのアーティスト ステファニー・ローランドによるアーティストブック。実在しないにもかかわらず歴史的に地図に描かれ、人々の想像力をかき立ててきた幻の島々をテーマにしている。
幻の島々とは、かつて地図上に存在すると信じられていたものの、後にその存在が否定された島々を指す。本書ではエオン島、ハイ・ブラジル島、オーロラ島、アンティリア、悪魔の島、カリフォルニア島、ポデスタ島の7つの島に焦点を当てている。
これらの島は地理的な誤認や伝説、噂、さらには地政学的な意図や地図制作上の著作権問題など、さまざまな要因によって生み出された。ローランドはこれらの島々が西洋社会に与えた影響や、それらが引き起こした歴史的な出来事に注目している。
各島について、ローランドは写真、地図、引用、映像の静止画などを組み合わせ、非線形かつ断片的な構成で物語を紡いでおり、読者は現実と虚構の境界を問い直す「メタ島」の概念に誘われる。
本書は、地理的なフィクション、視覚文化、ポスト・トゥルース時代の現実認識に結び付く興味深い一冊となっている。
The Eriskay Connection / 160ページ / ソフトカバー / 280 x 220 mm / 9789493363120 / 2024年