





オランダ人写真家ヤープ・シーレンにとって、家族は単なる血縁関係を超えた、記憶・物語・価値観の共有によって形づくられる深い結びつきの源である。
祖父タイニーと祖母トースは、彼の両親、そして彼自身の価値観や人生観に決定的な影響を与えた存在であり、その影響は日常的なしぐさから人生を貫く教訓に至るまで、広範に及んでいる。
シーレンは、祖父母との交流、両親のふるまい、その背後にある世代を超えた人間関係を丁寧に見つめることで、自らのアイデンティティの礎をたどろうとしている。
本書は、そうした個人的かつ普遍的な問いを出発点に、写真を通して家族という制度の記憶のあり方を探る試みである。
祖母トースがどのような人物であったのか、祖父タイニーがどのような価値観を体現していたのかを視覚的に再構成しながら、作家自身の出自と向き合うプロセスが記録されている。
家族写真という形式を超えて、記録と回想、自己認識と他者理解の交差点として機能するこの作品群は、鑑賞者にとってもまた、記憶とアイデンティティの関係を再考する契機となるだろう。
Fw: Books / 112ページ / ソフトカバー / 200 x 170 mm / 9789083519708 / 2025年
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