フランスを拠点に活動するアーティスト、カミーユ・ロベは、写真やインスタレーションを通して、身体感覚とランドスケープの関係性を探求してきた作家である。科学的リサーチや地形学的視点を取り込みながら、見る、歩く、触れるといった行為そのものを作品の基盤としている。
本書は、アルプス山脈の氷河地帯における調査をもとに制作された写真作品とテキストを収録した一冊。氷河の後退によって露わになったモレーンや岩肌を捉えたイメージは、「黒い氷河」とも呼ばれる特異な風景を描き出す。記録と詩性のあわいに位置するこれらの写真は、気候変動という主題を直接的に語るのではなく、物質の質感やスケール感を通じて、時間と変容を静かに提示している。
Roma Publications / 68ページ / ソフトカバー / 310 x 230 mm / 9789464460834 / 2025年