ベルギーを拠点に活動するアーティスト、トーマス・ミンの作品集。ありふれたものから美術的な文脈の中から生まれた既製品など、思いつく限りのものはいつかどこかで記録として、あるいは芸術的な解釈として写真で残されているはずである。写真が普及すると、ものは文脈や周囲の環境から引き離され、それ自体が表現の対象になった。何でも写真にできるし、写真にされていないものはない。写真は3次元の空間を理解しやすい平面に変える。しかし、立体を平面に置き換えることは、ものを簡単に理解できるイメージに変えることであり、そこから新たな葛藤が生まれることになる。結局のところ、写真を見れば被写体を理解できるというのは幻想にすぎない。被写体に向けられた独自の視点は、被写体をできるだけ完全な形で提示していると主張するが、この目的はほぼ達成が不可能なものである。
つまりカタログなどの出版物においては、イメージに意味を与え全体的な構成を与えているのは文脈に他ならない。言い換えると、カタログを見る時、我々は描かれているものしか見ていないのであって、イメージ自体は透明であるということになる。この種の出版物の唯一の存在意義は、それが市場で果たしている役割にある。彼らは、イメージに写っているものが実在することの「証拠」なのである。
(ディストリビューターのテキストより)
Art Paper Editions / 44ページ / ソフトカバー / 280 x 205 mm / 9789490800420 / 2016年
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