アメリカ人アーティスト、Mel Bochner(メル・ボックナー)の作品集。色や文字が錯綜する作者の絵画の中で言語がどのように使われているかを解き明かした興味深い1冊。
作者は1960年代のコンセプチュアル・アートの中心人物の1人として有名だが、その後の絵画についてはそれほど知られていない。言語の探求をテーマに、対比を成す鮮やかな色彩で画面を埋め尽くすように描かれた文字を特徴とする複雑な作品は、絵画の伝統を受け入れながらも挑戦している。
本書は、テキストとイメージの境界を探求した重要な作品群に焦点を当てている。大胆な慣用句からウィットに富んだ顔文字、挑発的な単語の洪水まで、バラエティ豊かな作品を見ていると、これらが真面目なコンセプチュアルアートの作品として作られたものであることは確かだが、それと同時にボックナーが言語の持つ遊びの可能性を大いに楽しんでいたことがわかる。
収録されたテキストの中で、ユダヤ博物館のノーマン・L・クリーブラット(Norman L. Kleeblatt)は初期の単語を使った実験から絵画への回帰に至る作者の芸術の進化について議論し、作者自身は個人的な見解を述べている。両者共に、作者の作品においてユダヤ人であることがどのような意味を持つか、特にユダヤ人の知的伝統において言語が視覚的な表現の1つの形態として扱われていることについて考察している。
(ディストリビューターのテキストより)
Yale University Press / 144ページ / ハードカバー / 279 x 241 mm / 9780300197341 / 2014年
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