巨大な産業ホール、汚れたオーバーオール、回転する歯車、煙る煙突の工場写真集。本書は、1890年から1987年にわたる、この類まれなジャンルの決定的な概説書である。写真というメディアが発明された当初から、企業はマーケティング・ツールとしての写真の力を認めていた。企業は自社の品質、革新性、先進性をアピールするために写真集を依頼した。フォトブックは、顧客、投資家、地元の有名人、従業員への販促用ギフトとして世に出た。一方、工場は自らの生産価値を誇示し、新たなビジネスを獲得するためにフォトブックを作成した。このような巨大な生産拠点では、デザイナー、印刷業者、写真家など、各分野の第一線で活躍する人々が働いていた。ユニークな方法で企業を表現しようという野心は、しばしば本の形態、写真、グラフィック・デザインに驚くべき実験をもたらした。 写真家でありコレクターでもあるバート・ソルゲドレーガーが集めた、16カ国175点以上の出版物のセレクションを通して、フォトブックの歴史に新たな視点を見出すことがでできる。 Nai010 Publishers / 506ページ / ハードカバー / 240 x 290 mm / 9789056628703 / 2023年