






濱田祐史の代表作である『Primal Mountain』の写真は、一見すると山の風景を撮影しているように見える。しかしよく見ると、それは文字通りの意味での山ではなく、私たちの身近にある人工的な物質で構成された山であることに気づかされる。濱田は、作品の中で「虚と実」「見と見ぬ間」をテーマにすることが多い。
2011年の東日本大震災を経験し、それらのモチーフを組み合わせていたある日、濱田は友人から一枚の山の写真をハガキで受け取る。その写真の美しさと虚構性に驚き、そこに描かれている山が本当に山なのか疑い始めたことが、「Primal Mountain」の撮影のきっかけとなった。人間にとって、山は何をもって山として認識するのか。写真の中で作り上げられた風景は、私たちの脳に自然界にある風景だと思わせ、読者に心地よい体験と興味を与える。
装丁は、各ページの裏側に表の写真を拡大し、そこから裏をのぞき見ることができるダブルリーフ方式を採用。山や谷を再現した装丁は、「見えるものと見えないもの」をモチーフにしており、ページをめくるたびに、現実と幻想の狭間でゆるやかに揺れ動く。
torch press / 112ページ / ソフトカバー / 289 x 212 mm / 9784907562199 / 2017年
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