ニューヨーク・ソーホーに位置したデザインギャラリーMOSSは、約20年にわたりデザイン、アート、マネーが交錯する場所であった。その仕掛け人マレー・モスとパートナーのフランクリン・ゲッチェルは、スタジオ・ヨブやマーティン・バースといった今や確立したデザイナーのキャリアを押し上げる一方で、18世紀の磁器やタッパーウェアを再評価させるなど、時代の趣味を牽引した存在である。高尚と日常を自在に交錯させることで、MOSSはデザインの語り口をMoMAのギャラリーからソーホーの店舗へと移し替えたのである。
本書では、モスとゲッチェルが生来の語り部として、MOSSの伝説的なオープニングパーティーや壮大なプロジェクトの舞台裏を、未公開の個人写真とともにユーモアと洞察に満ちたエピソードで綴る。モダンデザインの2人の巨匠によるこの回想録は、ハイデザインがあらゆる境界を打ち破った時代へと読者を誘う1冊である。
Rizzoli / 333ページ / ハードカバー / 241 x 178 mm / 9780847861576 / 2018年